【症例報告③これは・・・成長痛?!足の痛み_10才・男の子】
症例報告
こんにちは。
【姿勢美人プログラム】でご好評頂いております、東京都 練馬区 石神井公園駅前、クオラ整骨はり灸院の【中川 由美】です。
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症例報告3回目は、【子供の足の痛み】についての症例をご紹介いたします。
お子さんがある日、転んだ、ぶつかった、ひねった・・・などのケガをして帰ってきたら、「お母さん、痛い、痛い!」と訴えて、「まあ、どうしたの?転んだの?それでは近くの病院や整骨院に・・・!」となります。
一方、だんだん出てきた痛みについて、子供はうまく表現できないことがあります。「何となく痛い。」「時々痛い。」と言うくらい。「成長痛?」「気のせいでしょ?」などと思ってしまい、そのままにしがちです。
しかし、医学的には以下のように【成長痛】は病名ではなく、骨や関節などに病気を認めない、朝には治っている夜間の痛みを指します。日中も続く痛みは、骨端症などの可能性もありますので、一度チェックを受けた方が良いでしょう。
~「成長痛」というのは、病名と言うより、幼児期の繰り返す下肢の痛みで、特に骨や関節の治療すべき病気を認めない場合の症状の呼び方と思ってください。もっとも有名なネルソンの小児科の教科書を引用しますと、主として4歳から8歳の子どもの、10~20%に見られる、特に問題のない夜間の痛みとして知られています。~
(大阪小児科医会ホームページより引用)
【10才・男の子】
主訴:体育でバスケットボールをやった後、歩くたびに踵が痛く、帰宅後に痛みが増悪する。翌朝、痛みがやや軽減していたが、帰宅時には再度痛みがひどくなり、来院されました。
腫脹(±)、踵骨内側の圧痛(+)(図1)、下腿三頭筋tightness(+)、歩行・特にジャンプ痛(+)、のため踵骨骨端症・シーバー病の可能性が高いと判断いたしました。
(図1・圧痛点・外側のこともある)
Bモード超音波画像検査装置で確認しましたところ、踵骨骨端核に不正像が見られ、シーバー病が疑われます。
(図2・Bモード超音波画像)
テーピング・包帯固定をして、5日間は運動をお休みしていただきます。その後、運動指導とストレッチを始めます、本来はこちらがとても大切です。
・シーバー病とは・・・?
踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)で、10歳前後の男児に多くみられる病気です。
かかとの若干の腫れ、圧痛(押すと痛い)、歩行時痛がその症状です。ジャンプやダッシュなどの運動のあとに症状が出ることが多いです。
成人では一つの骨となっていますが、成長期の子どもの段階ではまだ一つの骨としてできあがっておりません。
(図3・成人との比較・レントゲン画像)
その強度の弱い踵骨骨端部(かかとの骨の端でアキレス腱が付着しているところ)に、ジャンプなどのかかとへの負荷、アキレス腱の牽引力などが引き金となって炎症を起こしてしまうのです。
(図4・解剖書に加筆・シーバー病説明図)
ほかに、下腿三頭筋の柔軟性の低さ(踵骨への牽引力を強める)、筋肉と骨の成長のバランス(骨の成長に筋肉が追いつかない)、ジャンプ・ダッシュなどの踵への衝撃の強さなどが影響していることが多いため、その点を考慮して治療してゆくことが大切かと思われます。
最近では、小2の女の子が、コロナで運動不足だったのを解消しようと、トランポリンしながら縄跳びを連日繰り返し、シーバー病になって来院されました。気持ちはわかりますね・・・、でも気をつけましょう。
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